2004-04-01から1ヶ月間の記事一覧

連休前の授業最終日

授業のペースがつかめてきた。課題をこなし、授業に出て、検討し合う。このプロセスの積み重ねが、基本ということか。連休明けまでに、やらるだけやっておこう。復習、予習、その他もできれば。頑張ろう。

武田泰淳『滅亡について』を読む

表題作を含むエッセイ集。仏教僧として自覚が、思っていたよりも、強いことに驚く。諸行無常。ただし、やわな詠嘆ではなく、もっと冷徹な原理としてのそれを繰り返し説いている。「滅亡について」では(また、「無感覚なボタン」でも)、その思想が色濃く展…

授業、第二週目

今週からだろうか、授業が本格化していくのは。でも、まだ授業のペースが掴めていないよう、講師、生徒ともに。先週から、提出物が多く、緊張した日々が続く。でもこれが、後々で「力」になってくるのだろうと信じて、それらに取り組む。復習が必要なテキス…

武田泰淳『ひかりごけ』を読む

彼は、小説家というよりも思想家ではないか。「救いがないということが、救いであります」という倫理。それが、彼の思想の根幹だ。一切のものは生起しては、流転して、そして消滅していく。そして、それらを一切包みこむ世界。また、それは、こうした世界と…

第二回目の授業

なかなか密度の高い授業に、納得する。とにかく多く読む。これにつきるらしい。だから、授業中にこなす課題として出される量が多い。もちろん、大歓迎だ。それに合わせて、電子辞書を買う。用例の多い、なるべく高度なものを選ぶことにした。さあ、これから…

大岡昇平『俘虜記』を読む

これは、ほんとに素晴らしい。こんな知性が、日本にかつて存在していたとは信じがたい。それぐらい素晴らしい。『捉まるまで』の一章は、絶賛に値する。極限状態に立ち向かえるのは、やはり知性なのだ。分析的な知性なくして、倫理はありえない。そう思わせ…

学校が始まる

第一回目の授業があった。雰囲気は、予想外に、なごやか。恐らく、先生の温柔な性格によるのだろう。(では、もうひとつのクラスは、どうだろう?)生徒も多彩。留学経験あり、外資系での勤務経験あり、夫の転勤に伴い海外に在住経験のある主婦、仕事の経験…

花田清輝『復興期の精神』を読む

こちらも、すごい。レトリックが、すごい。ヒューマニズムへの懐疑。単純な本質主義への批判。リニアな発展よりも、渦巻状の展開を、あるいは円よりも、楕円の軌道こそが、よりラディカルなのだと主張する。はじめから終わりへと、目的−手段の関係で物事は進…

保田與重郎『保田與重郎文芸論集』を読む

なんだこれは。日本の橋が哀れっぽいとは、どういうことかさっぱりわからない。ローマの橋が引き合いにだされるものの、一貫してロジックがない。ただ、不気味なまでに、橋の名称が列挙されるばかり。ただ、そのエッセンスを無理にでも引き出してみると、次…

太宰治『斜陽』を読む

太宰の作品は、皆小説的に見事であるけども、皆言い訳の文学だ。この作品も、その例を洩れない。「太宰の人間失格とは、共産党失格に他ならない」と書いたのは、加藤周一。(『日本文学史序説』)「不良少年とキリスト」について書いたのは、坂口安吾。つま…

病院の日

これからは、2週間置きに来ればよいことを告げられる。体調が安定してきた徴。喜ばしい。もっともっと快方へ向かわんことを。健康さを取り戻すことには、もっともっと貪欲でありたい。薬を代えてから、ちょうど20週目(5ヶ月)に当たるそう。メモ代わりに。